NP教育課程修了者の活動成果把握でパイロット事業 日看協

NP教育課程修了者の活動成果と現行の仕組みでは対応できないニーズについて事業報告書を公表(7/30)《日本看護協会》

今回のポイント
●日本看護協会はこのほど、ナース・プラクティショナー(NP)の活動成果に関するエビデンスの集積を目的に、6施設で実施したパイロット事業の報告書を公表した。
○それによると、NP教育課程修了者の配置で、患者の重症化予防や在院日数の短縮効果などが期待できるものの、薬剤を用いたタイムリーな症状の緩和は行えないなど、現行の仕組みでは対応できない患者ニーズがあることがわかった。
○結果を受けて日看協は、「今後、患者・利用者のニーズに対応して、看護師がより一層タイムリーに対応していくための制度的枠組みの検討を進めていく」としている。

ナース・プラクティショナー(NP)教育課程を修了した看護師の現場への配置で、患者の重症化予防や在院日数の短縮効果などが期待できるものの、薬剤を用いたタイムリーな症状の緩和は行えないなど、現行の仕組みでは対応できない患者ニーズがある-。日本看護協会はこのほど、NPの活動成果に関するエビデンスの集積を目的として、6施設で実施したパイロット事業の報告書を公表した。医療や介護を必要とする人たちの住み慣れた地域での療養生活を支えるには、看護の基盤を持ちながら、医師の指示がなくとも一定レベルの診断や治療が行えるNPの国家資格を日本でも創設することが必要、と主張している(参照)(参照)。

NPは1960年代に米国で導入されて以来、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどにも広がりを見せ、NPの介入による医療へのアクセス改善や重症化予防効果を実証した海外研究も存在する。日本においても2008年以降、大学院修士課程にNP教育課程が設置され、19年4月時点で400人の修了者を輩出している。たが、現行制度下では、NP教育課程修了者も、保健師助産師看護師法上は「看護師」であることから、一般の看護師同様、その業務は、「療養上の世話または診療の補助」の範囲内に限られる(参照)。

このため、パイロット事業では、NP教育課程修了者の現場での役割構築の支援と、活動内容のエビデンス構築につなげる目的で、修了者が所属する病院、訪問看護ステーション、介護老人保健施設の6施設に協力を依頼。現場での活動内容や活動成果の事例を収集した(参照)。

結果をみると、6施設いずれにおいても、NP教育課程修了者は、大学院で修得したヘルスアセスメント能力や診断・治療に関する知識を活かして、患者や利用者を全人的に捉え、多職種と協働しながら療養生活を支援する看護師としての役割を果たしていた。各施設のニーズに応じた活動も展開し、それぞれ▽救急外来受診と予定外入院の減少(訪問看護ステーション)▽ポリファーマシー(有害事象を伴う多剤服用)の改善や皮膚障害の施設外対応の減少(老健)▽在院・ICU滞在日数の短縮や退院割合の増加(病院)-などの成果をあげていることもわかった(参照)。

しかしながら、▽医師の診察を受けるまで薬剤を用いた症状緩和を行えない▽創傷ケアや血糖管理のうち、薬剤を必要とするケアや治療をタイムリーに行えない-など、現行法の下では速やかに対応できない患者や利用者のニーズがあることも浮き彫りになった。結果を受けて日看協は、「今後、患者・利用者のニーズに対して、看護師がより一層タイムリーに対応していくための制度的枠組みの検討を進めていく」としている(参照)(参照)。


■資料PDFダウンロードはこちらから■
NP教育課程修了者の活動成果と現行の仕組みでは対応できないニーズについて事業報告書を公表 P1~P2
2018年度 NP教育課程修了者の活動成果に関するエビデンス構築パイロット事業報告 P3~P34
記事の資料ダウンロード・著作権について
提供:厚生政策情報センター

コメント[10

コメントを見るには...

このページの先頭へ