時間外労働の上限順守には1.2倍の医師増必要 全自病調査

医師の働き方改革に関するアンケート調査結果【2019年5月】(6/21)《全国自治体病院協議会》

今回のポイント
●全国自治体病院協議会が6月21日に公表した、「医師の働き方改革に関するアンケート調査結果」によると、全ての常勤医師の時間外労働を上限の年960時間以下とするためには現在の1.2倍の医師が必要になることがわかった。
◯勤務間インターバル、連続勤務時間制限、複数主治医制の導入などへの対応が不可と回答した病院の対応できない理由は、「医師不足」だった。
◯医師の働き方改革の病院経営への影響では、医療機能の縮小に伴う収益の減少や、人件費やコストの増大を懸念する声が目立った。

全ての常勤医師の時間外労働を上限の年960時間以下とするためには現在の1.2倍の医師が必要になる−。そんな自治体病院の実態が、全国自治体病院協議会(全自病)が6月21日に公表した「医師の働き方改革に関するアンケート調査結果」から明らかになった(参照)。

調査は会員875病院を対象に、2019年2月~3月に実施。270病院が回答した(回答率30.9%)(参照)。厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」が18年2月に公表した「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」の進捗状況を聞いたところ、「勤務間インターバル」への対応が不可と回答した病院の割合は31.9%、「連続勤務時間制限」は25.6%、「複数主治医制の導入」は23.7%、シフト制(交代制)の導入は47.8%あり、できない理由はいずれも医師不足だった(参照)。

回答病院で年960時間を超える時間外労働をしていた医師の割合は6.8%で、前年に比べて0.9ポイント減少した。職位別では初期・後期研修医9.5%、非管理職医師7.8%、管理職医師2.2%(参照)。病床規模が大きくなるのに比例して年960時間超の時間外労働をしている医師の割合も概ね高くなり、500床以上は8.6%、400床以上は7.0%となった(参照)。診療科別では、救急科の医師が最も多く9.9%、次いで外科系8.0%、内科系7.5%、産婦人科7.4%など(参照)。

回答病院の全常勤医師の時間外労働を年960時間以下にするために必要な医師数は、現在の1.2倍。診療科別では放射線科と救急科が1.5倍、産婦人科と麻酔科が1.4倍などとなった(参照)。

医師の働き方改革の病院経営への影響では、救急部門や外来部門などの医療機能の縮小に伴う収益の減少や、医師や医師事務作業補助者を雇用するための人件費増、看護師の特定行為研修の受講をサポートする費用の増加−などを懸念する声が目立つ。人件費や人事管理システムなどのコスト増で、収支の相当なマイナスが見込まれると、危機感を募らせている病院もあった(参照)。


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医師の働き方改革に関するアンケート調査結果 P1~P25
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提供:厚生政策情報センター

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