オンライン診療の要件緩和など巡り、賛否 中医協・総会1

中央社会保険医療協議会 総会(第416回 6/12)《厚生労働省》

今回のポイント
●中央社会保険医療協議会・総会は6月12日開かれ、オンライン診療やICTを活用した情報共有と連携について意見交換した。
○オンライン診療では、対面診療を補完する仕組みとして活用するという基本認識は診療・支払側で一致しているものの、生活習慣病を抱える労働者の医学管理にまで利用を拡大するよう求める支払側と、対面診療と同等の効果が認められるものに対象を限定すべきだとする診療側の意見の隔たりは大きく、議論は平行線を辿った。
○オンライン服薬指導でも意見が対立。支払側は「是非推進してほしい」と期待感を示したが、診療側は、薬局の偏在解消や在宅訪問薬剤管理指導の普及に取り組むことが先決との主張を展開。「対象医薬品は、必要最小限にとどめるべきだ」などと述べた。

中央社会保険医療協議会・総会は6月12日開かれ、オンライン診療やICTを活用した情報共有・連携について意見交換した。オンライン診療では、対面診療を補完する仕組みとして活用するという基本認識は診療・支払側で一致しているものの、生活習慣病を抱える労働者の医学管理にまで利用を拡大するよう求める支払側と、対面診療と同等の効果が認められるものに対象を限定すべきだとする診療側の意見の隔たりは大きく、議論は平行線を辿った。

離島・へき地とそれ以外の地域での活用法を区別すべき 厚労省

厚生労働省は医療におけるICT利活用に関する議論の方向性として、▽対面診療と補完的に組み合わせることで、医療の質向上に寄与するオンライン診療については、普及状況の検証結果などを踏まえて診療報酬上の対応を検討▽遠隔医療(ICTを活用した画像の送受信や遠隔モニタリングなどを含む)における個別領域の利活用は、今後、学会からの提案といった医療の質に関するエビデンスなどを踏まえて評価を検討▽遠隔医療の評価の検討に際しては、オンライン診療の特性を考慮し、離島・へき地などの医療資源の少ない地域における利活用と、それ以外の利活用を分けて必要な整理を行う▽情報共有・連携における利活用は、柔軟な働き方や業務の効率化に役立つものとして、適切な活用を妨げないよう、必要な対応を検討する-の4項目を総会に提案し、概ね了承された(参照)。

オンライン診療・服薬指導とも支払・診療側の意見に隔たり

オンライン診療について、支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「対面診療を補完する原則は否定しない」としながらも、仕事の忙しさゆえに医療機関から足が遠のきがちな現役世代の生活習慣病患者が治療から脱落するのを防ぐ仕組みとして活用の余地があるとの認識を表明。現在の厳格な算定要件が普及の足かせになっているとして、「ユーザー目線で緩和できるところは緩和していくべき。疾病ごとに要件を変えてもいいのではないか」と提案した。

これに対して診療側の松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は、「まずは患者が気兼ねなく対面診療が受けられる環境整備が重要で、利便性だけで語ることは避けるべき」、「対面診療と同等のエビデンスがあるのか、専門家の意見を聞きながら検討を進めていくべきだ」などと反論。支払側の要望を退けた。

オンライン服薬指導の是非を巡っても両側の意見が対立した。現行制度で薬剤を患者に渡す調剤時の服薬指導をオンラインで行うことは認められておらず、対面義務の例外として一定ルールの下でのオンライン服薬指導を解禁する医薬品医療機器等法(薬機法)の改正案が、今通常国会で審議中。支払側は「薬機法改正後に是非推進してほしい」と期待感を示したが、オンライン診療の拡大と同様に診療側は、薬局の偏在解消や在宅訪問薬剤管理指導の普及に取り組むことが先決との主張を展開。「対象医薬品は、必要最小限にとどめるべきだ」などと慎重姿勢を崩さなかった。

中央社会保険医療協議会 総会(第416回) 資料

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