働き方改革に対応した診療報酬のあり方で議論 中医協・総会1

中央社会保険医療協議会 総会(第415回 5/29)《厚生労働省》

今回のポイント
●中央社会保険医療協議会・総会は5月29日開かれ、働き方改革と医療のあり方について議論。
○医師以外の医療従事者については、4月から時間外労働の上限規制が適用され、増員が必要になっていることなどから、診療側委員は人件費の原資としての入院基本料の引き上げや、働き方改革に関連する加算の要件緩和などを要望。
○支払側委員は、診療側の引き上げ、要件緩和の要望に不満感を示し、病床の機能分化・連携が進んでいない非効率が残った現状での入院基本料引き上げには応じられないなどと反発した。

中央社会保険医療協議会・総会は5月29日開かれ、働き方改革と医療のあり方について議論した。医師以外の医療従事者については、4月から時間外労働の上限規制が適用され、増員が必要になっていることなどから、診療側委員は人件費の原資としての入院基本料の引き上げや、働き方改革に関連する加算の要件緩和などを要望。これに対して支払側委員は、病床の機能分化・連携が進んでいない非効率が残った現状での入院基本料引き上げには応じられないなどと反発、意見が対立した。

厚生労働省は、2020年度診療報酬改定に向けた働き方改革関連の課題を、医療機関内での取り組みと、医師の診療科偏在などから特に労働時間短縮の必要性が高い、救急・小児科・産科領域における取り組み(地域全体での取り組み)の2つの視点で整理し、総会に提示した(参照)(参照)。

いずれも現行の診療報酬での評価を働き方改革関連施策との整合性や、医療の質の確保の観点から再度検証することを求めた内容。医療機関内の取り組みでは、労務環境改善を後押しする診療報酬上の評価や、その算定要件として求めている業務の内容、地域全体の取り組みでは、これまで救急医療や小児・周産期領域の診療報酬で対応してきた、診療所による救急患者の診療や、病院の手厚い体制に対する評価のあり方などを論点に挙げている(参照)(参照)。

【入院基本料】引き上げを要望巡り、意見が対立

議論で松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は、勤務医の負担軽減目的で導入された【医師事務作業補助体制加算1】の届出割合が3割程度にとどまっていることを問題視し、特に届出が少ない中小病院を対象に要件見直しの必要性を訴えた。猪口雄二委員(全日本病院協会会長)もこれに同調。中小病院が施設基準の緊急入院患者数の受け入れ実績要件を満たすのは困難として、「病床数や病棟に応じて評価を変える必要がある」と述べた(参照)。

猪口委員はまた、4月から導入された時間外労働の上限規制への対応で病院は医療従事者数を増やしており、人件費の増加で病院経営が悪化する可能性があると憂慮。「こういうものを捉えた入院基本料をどうするかを考えていく必要がある」と指摘した。

診療側委員からは、このほかにも▽医療従事者の専従要件のさらなる緩和▽【救急体制充実加算】の見直し▽【病棟薬剤業務実施加算】の要件緩和-などを求める意見が出た。

診療側の要件緩和や引き上げ要望に、支払側委員からは不満の声が相次いだ。平川則男委員(日本労働組合総連合会総合政策局長)は、19年3月末時点の地域医療構想調整会議における具体的対応方針の合意状況が、病床数ベースで6割程度にとどまっていることに言及。「支払側としては地域の医療提供体制に非効率が残ったままでの入院基本料引き上げはありえない」と反論した。

幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)も、「人件費増加のために入院基本料を上げて患者が負担するのは違うのではないか」との認識を表明。業務効率化を阻害している算定要件を見直すことや、正しい医療のかかり方が国民に浸透するように誘導することなどが診療報酬本来の役割だとし、紹介状なしでの大病院受診における定額負担の対象拡大や、医薬品の保険償還率見直しなどを提案した。

中央社会保険医療協議会 総会(第415回) 議事次第

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