大病院受診時の定額負担義務化、対象拡大求める意見も 中医協1

中央社会保険医療協議会 総会(第414回 5/15)《厚生労働省》

今回のポイント
●中央社会保険医療協議会・総会は5月15日開かれ、外来医療の機能分化や患者への情報提供と支援のあり方などについて議論。
○外来医療の機能分化では、支払側委員が紹介状なしの大病院受診における定額負担対象病院の拡大を提案。
○患者の支援では診療側委員が【療養・就労両立支援指導料】の対象疾患拡大と要件緩和を要望した。

中央社会保険医療協議会・総会は5月15日開かれ、外来医療の機能分化や患者への情報提供と支援のあり方などについて議論した。外来医療の機能分化では、紹介状なしで200床以上の病院を受診する初診患者の割合が低下傾向にあることが、厚生労働省のデータなどから明らかになったが、支払側委員は「初診はかかりつけ医」という国民の意識を醸成するまでには至っていないなどと主張。外来受診時の定額負担義務化対象病院の拡大を求めた。患者の支援では診療側委員が、がん患者を対象にした【療養・就労両立支援指導料】の対象疾患拡大と要件緩和を要望した。

許可病床数200床以上の病院は、紹介状なしで受診した初診・再診患者から選定療養費として定額負担の徴収が可能。2016年度改定では、特定機能病院と一般病床500床以上の地域医療支援病院で定額負担徴収が義務化され、18年度改定では対象が一般病床500床未満かつ、許可病床400床以上の地域医療支援病院に拡大された。

厚労省が総会に示したデータによると、初診患者に占める紹介状なし患者の比率は、18年度改定の前後で、改定前から義務化対象だった病院では3.0ポイント減、18年度から義務化対象になった病院では4.4ポイント減と、いずれも低下した(参照)。

在宅療養支援診療所、【在宅時医学総合管理料】の届出数は頭打ちに

紹介状なしでの外来受診の選定療養費化や定額負担義務化は、初診患者を診療所や中小病院といった「かかりつけ医機能」を担う病院に誘導するための措置だが、健康保険組合連合会の調査によると、「病気になるといつも相談し、診察を受ける医師がいる」と答えた人は回答者の約3割。いない人も同じく約3割おり、その理由は「その都度適当な医療機関を選ぶ方が良い」、「適当な医療機関をどう探して良いのか分からない」、「適当な医療機関を選ぶための情報が不足している」などだった(参照)。

かかりつけ医機能の診療報酬上の評価では、18年度改定で▽【初診料】などに上乗せ算定できる【機能強化加算】の新設▽【地域包括診療料】や【地域包括診療加算】の医師配置基準の緩和-などを実施。しかしながら、【地域包括診療加算】の届出医療機関数や算定回数は増減を繰り返しながらも、ほぼ横ばいで推移。在宅医療推進の要となる在宅療養支援診療所や【在宅時医学総合管理料】などの届出数は頭打ちとなっている(参照)。

一方、調剤薬局に関しても、かかりつけ機能を評価する報酬として、【かかりつけ薬剤師指導料】、【かかりつけ薬剤師包括管理料】が設定されているものの、算定回数、薬局数は横ばいとなっており、18年11月の算定回数は全処方箋枚数の1.50%にとどまる。かかりつけの薬局を持たずに3カ所以上の薬局を利用する患者もおり、その利用薬局数は受診医療機関の数に比例して多くなる傾向がみられる(参照)。

大病院受診時の定額負担や、かかりつけ医機能のあり方が論点に

こうした現状を考慮して厚労省は、20年度改定に向けた論点として、▽紹介状なしの大病院受診時の定額負担のあり方▽患者・国民が求める役割分担を踏まえた、かかりつけ医機能のあり方▽専門医との連携や他職種との連携を含む、かかりつけ医機能の評価▽複数の薬局を利用する患者が一定数いることなどを踏まえた、かかりつけ薬剤師・薬局の推進-などを挙げた(参照)。

かかりつけ医機能の評価について、吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)は、「医師の信頼性、病歴の把握、利便性などが、かかりつけ医機能の重要な要素であり、これらを担保する診療報酬上の評価を検討していく必要がある」と指摘。幸野庄司委員(健保連理事)は、「患者の受療行動を変えるような対応が必要であり、紹介状なしで受診した場合の定額負担の対象病院を拡大すべきだ」と主張した。

また、この日もう1つのテーマとなった患者への情報提供や支援のあり方で、松本吉郎委員(日本医師会常任理事)は、18年度改定で、がん患者の仕事と治療の両立支援目的で新設された【療養・就労両立支援指導料】に言及(参照)。算定要件が厳しく、届出医療機関が伸び悩んでいるとして、要件の緩和や対象疾患の拡大を要請した。

中央社会保険医療協議会 総会(第414回) 議事次第

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