「担い手がいない…」 介護の総合事業、多様なサービスは3割程度 住民主体は数%


《 厚労省 》

ひとりひとり微妙に異なるニーズにきめ細かく対応できるよう、求められる様々なサービスを地域主導で独自に展開していってもらう―。そうした構想がまだまだ十分に具現化されていない実態が改めて浮き彫りになった。

要支援の高齢者を対象とした総合事業の訪問・通所について、厚生労働省が実施状況を探った最新の調査の結果を公式サイトで報告している。

介護予防・日常生活支援総合事業及び生活支援体制整備事業の実施状況

予防給付の時代と同じ「従前相当サービス」を提供している事業所が依然として大半を占めている。それ以外の「多様なサービス」は3割程度にとどまり、「住民主体の支援」は訪問で全体の1.4%、通所で2.9%だけだった。運営上の課題は何か尋ねたところ、多くの市町村が「実施主体や担い手がいない」と答えている。

この調査は厚労省がNTTデータ経営研究所に委託して昨年10月に行ったもの。全国1741市町村が対象で、96.8%にあたる1686市町村から回答を得たという。

「従前相当サービス」と「多様なサービス」の割合は以下の通り。「多様なサービス」は前年から訪問で4.6ポイント、通所で4.7ポイント増えていた。

訪問・通所の「多様なサービス」の内訳は以下の通り。大多数は「基準緩和型」で、「住民主体の支援」は訪問で4.7%(619事業所)、通所で11.7%(1463事業所)しかない。通所では「短期集中予防サービス」が22.9%(2859事業所)となっている。

「多様なサービス」の実施状況を市町村単位でみると以下の通り。「基準緩和型」があるところは訪問・通所とも5割程度にとどまる。「住民主体の支援」はそれぞれ1割強だけ。

サービスを実施していくうえでの課題は何か? そう市町村に尋ねたところ、最も多かったのはやはり「実施主体や担い手がいない」だった。「基準緩和型」で58.7%、「住民主体の支援」では72.5%にのぼっている。

このほか、「独自の基準・単価を定めるのが難しい」「事業者の理解を得るのが難しい」「実施主体の負担が大きくなる」といった回答も目立っていた。

更なる移行、年末に結論

総合事業をめぐっては、訪問介護の生活援助や要介護2以下の通所介護なども給付から移行させるよう求める意見が、財務省や経済界などから繰り返し出ている。2021年度に控える次の制度改正でどう対応するか、厚労省は今年の年末までに方針を固める予定だ。

この調査結果は今後の議論の重要な材料となる。現場の関係者の間では以前から慎重論が支配的だが、「要支援で取り組みが十分広がっていないのに移せるのか?」といった疑問の声はさらに強まりそうだ。

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