高齢期、有害事象につながる恐れがある「ポリファーマシー」対策が論点 中医協

中央社会保険医療協議会 総会(第413回 4/24)《厚生労働省》

今回のポイント
●中央社会保険医療協議会・総会は4月24日開かれ、2020年度診療報酬改定に向け、青年~中年期、高齢期、人生の最終段階における課題と論点を整理。
○青年~中年期では、生活習慣病の継続管理でオンライン診療の活用を求める支払側と慎重姿勢の診療側の意見が対立する場面があった。
○高齢期では、多剤投与のなかでも有害事象につながる恐れがある「ポリファーマシー」対策が論点となった。

中央社会保険医療協議会・総会は4月24日開かれ、2020年度診療報酬改定に向け、青年~中年期、高齢期、人生の最終段階における課題と論点を整理した。青年~中年期では、オンライン診療を活用した生活習慣病の重症化予防で、支払側と診療側の意見の応酬があった。支払側は働き盛りのこの年代は忙しさゆえに医療機関から足が遠のきがちだとして、オンライン診療の要件緩和も視野に仕事と治療が両立できる環境の整備を要請。診療側は、通院の利便性だけでオンライン診療を推進するべきではないと異議を唱えた。

厚生労働省が総会に提出した資料によると、高血圧、糖尿病、脂質異常症の指摘を受けた者や疑いのある者の割合は、40代以降、年齢とともに上昇。治療・服用ありの割合も概ね年齢に比例して増加するが、40代は治療・服薬なしの割合がほかの年代に比べて高い傾向にある(参照)。仕事と通院の両立の難しさが背景にあるとみられ、中高年の離職理由では、定年、契約期間満了に次いで、「健康がすぐれなかった」が3位に入っている(参照)(参照)。

一方で、日本では労働人口の約3人に1人が何らかの疾患を抱えながら働いているが、産業医の選任義務がない労働者50人未満の事業場の産業医の選任割合は約3~4割にとどまっているのが現状(参照)。

このため厚労省は、▽生活習慣病に対する早期介入と継続的な管理▽生活習慣病、精神疾患、女性特有の疾患、がんなどとの治療と仕事の両立のための産業保健との連携-などをこの年代の論点に位置づけた。

論点の提示を受けて、支払側の複数の委員が生活習慣病の継続的管理や、仕事と治療の両立の観点から、オンライン診療の活用を提案した。吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)は、「特に小規模の事業所ではなかなか休めないなどの理由で生活習慣病が悪化する可能性がある。治療と仕事の両立支援としてオンライン診療のあり方についての議論を深めるべきだ」と主張。幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)も、「働き盛りの人たちの治療・服薬なしの割合が高いのは忙しく、通院が困難なため。オンライン診療の要件を少し緩和して、治療を受けやすくするべきではないか」などと述べた。

これに対し診療側は、「患者が気兼ねなく対面診療を受けられる環境づくりが大切。通院の利便性だけを考えてオンライン診療を進めるのは違うのではないか」(松本吉郎委員・日本医師会常任理事)、「医療にアクセスできない地域への活用がまずは大前提であり、活用に際しては対面診療と同等というエビデンスがあることが重要だ」(今村聡委員・日本医師会副会長)などと反論、慎重姿勢を示した。

高齢期では「ポリファーマシー」対策が論点の1つに

高齢期では、多剤投与の中でも有害事象などを引き起こす恐れがある「ポリファーマシー」への対応が論点となった。多剤投与の患者に対して減薬を伴う指導・提案を行った場合の医療機関、薬局の評価には、【薬剤総合評価調整管理料】や、【服用薬剤調整支援料】などがあるが、松本委員は減薬数のカウントでは配合剤も1剤と考えるルールのため、成分数では減薬前と変わらないケースもありうると問題視。減薬数ではなく、多職種連携による処方内容の確認や情報共有などに着目した評価への転換を求めた。安部好弘委員(日本薬剤師会副会長)は、かかりつけ薬局・薬剤師が一元的に管理している情報を医療機関、病院薬剤部に一括提供する仕組みの構築が必要と指摘した(参照)。

中央社会保険医療協議会 総会(第413回)資料

コメント[21

コメントを見るには...

このページの先頭へ