【職員2人が虐待】仙台市「ベストライフ仙台西」一時停止

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仙台市健康福祉局介護保険課は2015年12月25日、株式会社ベストライフ(長井力社長、東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル39階)が同市青葉区内で運営するの介護付き有料老人ホーム「ベストライフ仙台西」(同市青葉区栗生6-7-1)に勤めていた20代の介護職員2人が入居者への虐待をしていた等として、仙台西ホームの新規入居者の受け入れを一時停止とする行政処分をくだした。効力停止期間は1月1日から3月31日までの3ヵ月間となる。

市介護保険課などによると、当時28歳で介護福祉士資格をもつ元職員・門山竜也(同太白区郡山4丁目)が昨年8月31日午前4時ごろ、軽度の認知症を患う入居者の90代女性の左ほおや左首下などを複数回にわたり平手打ちしたり足の裏で踏みつけたりするなどし、全治3週間の打撲を負わせたとされる。当初の内部調査に対し、「知らない」と否定していた門山容疑者だが、排せつ介助で女性の部屋を朝巡回で訪問した際に「おむつなどがベッド脇に投げられていて、カッとなってたたいた」などと一転して虐待事実を認めていた。

虐待発覚のキッカケは昨年8月31日、別のホーム職員が入居女性のほおや首の下に内出血があるのに気づいたことにあった。通報をうけて運営会社ベストライフでは、8月31日当日中から仙台西ホーム施設内で内部調査を開始。9月15日までに運営法人ベストライフ社側から仙台市に報告するとともに、翌9月16日付で門山容疑者を懲戒解雇している。

ベストライフ側から報告をうけた市介護保険課では、9月16日・17日と2日連続で実地調査を実施し、虐待事実を確認。翌9月18日には市側から宮城県警仙台北警察署に情報提供もなされ、仙台北署により傷害事件として立件可能性の有無が調べられた。その入居者の90代女性の顔をたたいて大けがを負わせた傷害罪容疑で門山容疑者は逮捕・略式起訴され、仙台簡裁から罰金50万円の略式命令を受けている。

さらにベストライフによる内部調査が進むうちに、当時19歳の別の男性介護職員についても昨年8月上旬に入居者の80代女性の腹を強くつねるなどの虐待の疑いが浮上。これも虐待案件として事業所側から市・警察当局に通報され、昨年12月に仙台区検により暴行容疑で書類送検。この元介護職員は内部調査に対し「腕をつかまれてイライラした」などと暴行事実について認めていたという。この男性元職員についても同じく昨年9月16日付でベストライフからすでに懲戒解雇されている。

こうして介護職員2人の虐待容疑が刑事案件としても確定される経緯をうけ、市介護保険課は要介護者への人格尊重義務違反に当たると判断。今回の行政処分に至ったとされる。

また今後の対応として市では、(1)高齢者虐待の再発防止に関する改善勧告をし改善計画の策定を事業者へ求める、(2)事業者が策定した改善計画の実施状況について、その進捗状況を把握した上でその効果を評価し、適宜助言・指導をおこなう――ということで、改善計画が確実に履行されるように関与していくとしている。

以下、今回処分の認定事実や法的根拠など詳細は次のとおり。

【人格尊重義務違反】(介護保険法第77条第1項第5号に該当)

平成27年8月31日(月)の早朝、当該施設の職員が、入居者1名に対して身体的虐待を行なった。また、これとは別に当該職員以外の職員が、別の入居者1名に対して身体的虐待を行なった。

【「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」における高齢者虐待防止措置違反】(介護保険法第77条第1項第10号、同法第115条の9第1項第9号に該当)

高齢者虐待防止に関する職員研修が徹底されていなかったこと、多職種協働によるチームケアに対する取り組みが不十分であること、施設として危機管理体制が不十分であること等、高齢者虐待を適切に防止するための措置を怠った。

■仙台市「介護サービス事業所の処分について」
http://www.city.sendai.jp/report/2015/__icsFiles/afieldfile/2015/12/25/271225kisyahappyou.pdf

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