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日付:2016/03/29  カテゴリ[特集]  閲覧数[5151]

脳卒中リハビリの現場 自費型リハビリサービスが担う役割(1)

ケアマネドットコム運営部が、介護報酬の度々の見直しや医療の発展と背中合わせである要介護人口の増加などを背景に、介護保険外サービスも含めた地域連携の事例について取材してきました。

要介護者の“介護が必要になった原因”第1位である脳血管疾患。その後遺症専門のリハビリを行っている脳梗塞リハビリセンター(*1)について数回にわたりリポートします。

健康保険も介護保険も適用でないリハビリとはどのようなものなのでしょうか。

脳梗塞リハビリセンターを運営する株式会社ワイズ 取締役社長 伊藤康祐さんに疑問をぶつけさせて頂きました。

どんな人が利用しているのか

-どのような方が利用しているのか教えてください。

センターの名称には“脳梗塞”とありますが、対象は脳梗塞(47%)、脳出血(35%)、くも膜下出血(3%)と約85%の方が脳血管疾患の後遺症をお持ちの方です。残りの15%はパーキンソン病や脳挫傷など様々ですが、いずれも専門家によるリハビリを求めている方です。

-年代分布はいかがですか。

実は私たちは機能訓練型デイサービスも運営しているのですが、70代以上の方が多いデイサービスとは逆に、若年の方のご利用が多いです。第2号被保険者にあたる40-50代までで約50%、60代まで含めると約70%となっています。

-介護度でいうとどのような方が通われているのでしょうか。

要介護5の寝たきりの方から、要支援の方まで、後遺症の程度はばらつきがあります。ストレッチャーでいらしてまずは顔の筋肉を動かすトレーニングから始めた方もいらっしゃいますし、自力で歩いたりせめてトイレに行ったりしたいと車椅子からの立ち上がりを目指す方も多いです。

あとは、杖歩行は可能だけれど職場復帰にあたり不具合をどうにかしたいという方や、ご飯などは自分でできるほどADLは自立しているけれど、仕事に手先が必要だからみてほしいという方もいらっしゃいます。

また、発症時期も数年内の方から、10年以上前になる方までいらしています。

介護保険のリハビリとの違い

-実費でのリハビリとはどういうことですか。

保険適用がないため、実費、つまり10割負担となります。具体的には2時間のマンツーマンで¥15,000-(税別)です。

保険適用がないのは、現在の既存のリハビリ環境を考えた時に、「期間や回数の制限なくできること」を優先した結果です。というのも、脳血管疾患後遺症の病院でのリハビリは、発症から150日以内(高次脳機能障害がある場合は180日以内)であるとされていて、期限がくると後遺症の有無に関わらず退院となります。

その後は介護保険制度で行えるリハビリがメインになるのですが、デイサービスですと集団でのリハビリになってしまいますし、訪問リハビリも時間が限られています。また、介護度が低いほどリハビリをうけられる機会が減ってしまいますが、例えば再就労を目指す方は、軽度であっても後遺症が影響してしまうことがあるのでリハビリをしたいと願っておられます。

こうした背景があって、様々なリハビリニーズにお応えできるように、リハビリの中身も、お一人お一人の後遺症の状態や目標に応じてカスタマイズしていきますので、1回2時間じっくり行っています。

-デイサービスや訪問リハビリなど介護保険で行えるリハビリとの違いを教えてください。

デイサービスとの違いを改めてお伝えすると

  • 期間・回数・介護度などによる制限がないこと
  • 脳血管疾患リハビリの専門家がいること
  • 2時間とおしてマンツーマンでおこなうこと
  • 個人に合わせたリハビリプログラム
  • 鍼灸を取り入れていること

などがあげられます。

まずは個別カウンセリングにて、後遺症やこれまで行ってきたリハビリ、現在他で行っているリハビリについて詳細にヒアリングを行い、さらに必ずお一人お一人の目標を伺います。そしてカウンセリングシートを元にしながら、実際の現在の体の状態を見極めていきます。

まずは約40分程の鍼灸からはじまり、理学療法士/作業療法士/言語聴覚士といったリハビリセラピストによるリハビリを約1時間。そして運動トレーナーによるトレーニングで計2時間が目安です。完全なマンツーマントレーニングなので、ご本人の体力や体調、後遺症の状況によって各メニューの時間調整は行います。ご来所中、または次の来所までご自宅でどんなトレーニングをしていくかのプランをしっかり共有します。

《 左:「リハセン式」1・2・3ステップアップシート 》
後遺症の状態を把握した上で改善目標をたて、リハビリ計画をプランニング。改善状況を見える化し、ご本人とリハビリスタッフの間で共有する。
 

-一人一人のこの目標シートは素晴らしいですね。どのようにしたら利用できるのですか?

まずは体験予約をして頂いています。現在、本人または家族から直接のご予約が約8割、ケアマネジャーさまや病院のソーシャルワーカーさまからの紹介のケースが2割弱となっています。

体験の上、ご自身に合うか、他に併用されているリハビリとの棲み分けをどうするか(*2)、また実費ですのでもちろん費用対効果がありそうかなどをご判断頂いています。体験は2時間のメニュー一式で¥5,000(税別)となります。

-仕組みについて色々うかがい、概要がわかってきましたので、次回は実際の(介護保険)第2号被保険者のご利用者に行ったインタビューをお届けします。「要介護2だったA氏(58歳)が仕事復帰するまで」

注:
*1:脳梗塞リハビリセンター
東京都(本郷、新宿、田町・三田)、神奈川県(川崎)、千葉県(西船橋)の計5カ所で脳血管疾患の後遺症に特化して実費のマンツーマンリハビリを行っている施設
*2:実費型サービスのため、介護保険利用のサービスと併用されることも可能
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