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日付:2014/01/20  カテゴリ[特集]  閲覧数[20062]

自費サービスの有効活用で認知症利用者のQOLが向上

前回の記事では、BPSDが強い認知症利用者のケースについてケアマネジャーを対象にアンケートを実施し、その結果、約半数の方がBPSD問題をうまく解決できず、利用者は在宅生活を望むにも関わらずやむなく施設や病院に入所している現状が浮き彫りとなりました。

さらに、認知症の専門教育を受けたスタッフが提供する自費の介護サービスについて、8割以上のケアマネジャーが「関心がある」と回答したことがわかりました。

今回は、実際に自費の認知症専門の介護サービスをケアプランに組み込み、その効果を体感したケアマネジャーに、利用者にとってのメリットや、どのように状態が変化したのかなどについてお話を伺いました。


【インタビューを実施したケアマネさんについて】
東京都内 居宅介護支援事業所勤務 ケアマネジャー Aさん(ケアマネ歴9年)

【ご利用者基本情報】
Kさん 80代女性 都内で一人暮らし 親族は姪(遠方在住)のみ、後見人あり 介護保険訪問介護週12回、自費の認知症専門サービス週8回(現在導入4年目)介護度2

施設を検討するも恐怖心でNG…在宅生活を続けるにはどうしたら?

私がKさんと出会ったのは約5年前、一緒に商売をされていたご主人が療養型病院に入院中に亡くなられ、軽度の認知症が出始めているときでした。普段から近所づきあいがなく対人恐怖症気味でもあったため、姪御さんが一緒でなければ、なかなか家に入れてくれなかったことを今でもよく覚えています。

初回アセスメントを終え、姪御さんと今後についてお話させていただいた際に、軽度の認知症があること、後見人がいるとはいえ親族は遠方に住む姪御さんのみであることなどから、経済的余裕もおありになるとのことで、ご親族の希望に沿って施設への入居を検討することになりました。

まずは検討するための材料として、デイサービスをKさんと姪御さん、私の3人で見学に行ったのですが、知らない場所、知らない人たちに囲まれたことで震えるほどに怯えてしまい、いったん施設入居の話は白紙に戻すことになりました。

図1

そこで改めて話をし、ご自身は住み慣れた家でこれまで通り一人でゆっくりと生活していきたいと思っていること、身体的には元気なので認知症対応としての夜間ケア、その他のこまごまとした生活支援が必要であることを確認しました。
在宅生活を続けていくうえで一番気がかりだったのは、夜間の火の始末や戸締まりといった部分です。
認知症が今後さらに進行することなども考え、できればその対応に長けたスタッフにケアをお願いしたほうがいいなと考えていました。

作戦を立て介護拒否を回避
こまめな情報提供もケアマネのメリット

認知症を専門とした介護サービスがあるということは知ってはいたものの、自費であるということで積極的にプランに組み込むことはあまりありませんでした。
しかしKさんの場合を考えると、将来的に夜間帯のサービスも必要になると思われたので、サービスメニューに幅のある事業所がいいと思い、後見人の方と相談し少しずつ組み込んでいくことになりました。

ヘルパーさんが馴染むまではものすごく大変でした。自費ヘルパーさんが初回訪問したときは完全に介護拒否で、家にも入れてもらえず断念したことがあったんです。

図2

「知らない人がいる」と言って家に入れてくれず、玄関先であきらめて帰りました。
2度目の訪問の時、かかりつけ医のお医者様のお名前を出してみたら「あら、N先生の?」と、すんなり家にあげてくれて……。
Kさんがお料理や食べ物がお好きとのことで、サービス中はなるべくその話を中心にしていただくようにお願いしました。そしたらずいぶん盛り上がったみたいで、だいぶ打ち解けられたご様子でしたね。もともとお好きなこともあるんでしょうが、食べ物の話から「今度あれ作りましょう」とか「こんなのも美味しいですよ」なんて聞いて、きっと胃袋をがっしり掴まれちゃったのかもしれないですね(笑)。

それからは順調なサービス提供が続き、自費ヘルパーさんから随時届く情報提供のおかげでケアマネとして安心できましたし、ご利用者様の状態から次に必要となるであろうサービスを知ることができ、ケアプランに活かすこともできました。
Kさんもサービス回数が増えるごとに慣れていって、1年が経つ頃には一緒に入浴もできるほど仲良くなっていらっしゃいましたね。以前、手術のために入院が必要となったとき、なじみの自費ヘルパーさんが時々顔を出してくれたので安心されて、混乱を招くことがまったくなかったのにも驚きました。

今ではKさんにとってこの自費サービスはなくてはならないものになっています。家族の代わりとして、時に茶飲み友達として、一緒にテレビを見たり他愛もない昔話をしたりして、友達と過ごすような、ゆったりとした時間を過ごされています。人が来ることでよい刺激になっているようです。

また、認知症のため季節の概念はありませんが、自費ヘルパーさんと一緒に春には買物の途中に桜を見たり、年末にはクリスマス、お正月・・・と季節の行事を楽しめるようにしてくださるので、それもよい刺激になっていると思います。
自費ならではの自由度の高さのおかげで、痒いところに手が届くケアをしていただいているおかげでしょうね。利用後のKさんのご様子に姪御さんもずいぶん驚かれていました。
「こんなに変わるんだ!」とおっしゃっていたのが印象的です。
それまでのKさんとは似ても似つかないほど表情が明るくなり、時には冗談までおっしゃたり……。

私は、クスリのケアももちろん大切だと思ううえで、人とのかかわりの中で楽しい、嬉しい、おいしいと思う瞬間のある、今まで過ごしてきたような日常の生活ができることが大切なのだと考えています。

図3

知られていない自費サービスも使い方次第で状態改善も

図4

自費サービスの料金は介護保険の自己負担額に比べると高く、利用できる方が限られているのが現状です。Kさんも経済的に余裕がある方だったために利用ができたのですが、もし利用していなかったら……と考えると、認知症も今よりかなり進行していたでしょうし、足りない部分を介護保険で十分対応できたかというと、恐らく「やっぱり施設」という結論になってしまっていたのではないかと思います。

施設入所を検討して断念し、在宅生活をすることになりましたが認知症があって独居、さらに対人関係が苦手ということで「困難ケースになるな」と感じていました。それなのに気づいたら「安定したケース」に変わっていて、それはやっぱり自費サービスを利用できた点が大きいと感じています。

懸念していた介護保険ヘルパーさんと自費ヘルパーさんの連携については、ご利用者様の生活歴や既往歴、考え方や症状などについて漏れなく書き込んだ“ノート”を共有し、それをお互いがサービス前に確認することで問題が起こることもなくうまく運びました。Kさんが好きなことや興味をもちそうなことのヒントをサービス時の雑談のなかから見つけて、それをみんなで共有できて、Kさんの気持ちがほぐれるように接することができました。在宅生活もすっかり落ち着き、今も1日1日を大切に過ごされていると感じています。

図5

Kさんのケースは、自費サービスと介護保険サービスをうまく組み合わせることによって精神面の手厚いケアも可能になり、QOLが改善した成功事例の一つだと感じています。

介護保険のヘルパーさんも『ご利用者様にいろいろしてあげたい』という気持ちがあるのに制度上できないことが多いので、その点を自費の方で対応してもらえるので助かっているようです。

ボランティアをお願いするという手もあるのですが、どうしても人材の質にムラがあったり、要望に十分応えてくれなかったりすることがあるんですよね。その点、自費サービスは一人ひとりに合ったサービスを組み、必要なときにはすぐ駆けつけてくれるので、総合的にメリットがかなり大きいと感じました。

ご利用者様の “人生の記録” を、
BPSDへの対応に活かすサービス

前回の記事で紹介したダスキンホームインステッドの「認知症専門サービス」では、ご利用者様の重大な出来事やものの考え方、関心事、趣味など、いろいろな側面からの情報を体系的にまとめた「人生の記録」をご家族も一緒に作成し、認知症特有の周辺症状に対応するために活用しています。

サービスを提供するスタッフは、ロールプレイングやディスカッションなどによる専門研修を通して、認知症のご利用者様の状態その時々にあわせて、最適な対応ができるよう、知識と技術を習得しているといいます。

認知症専門の研修プログラムのおもな内容をみると、認知症にたいする基本的な理解にはじまり、周辺症状に対応するテクニックやご利用者様に活動をすすめる方法、日常生活動作の支援のしかた、安全を守るための問題発見と予防法など現場に即したものとなっています。

周辺症状に対応する具体的なテクニックとしては、ご利用者様の「人生の記録」に記されている情報を活用しながら
(1) 相手にあわせたわかりやすい選択肢を与える
(2) 非難を受け入れる
(3) 注意をそらす
(4) 原因を取り除く
などの方法があるようです。

周辺症状への対応は、一度うまくいったからといって次もうまくいくとは限らないため、定期的な事例検討会の開催によって、うまく対応できた事例を収集し、スタッフ間で情報を共有することで、サービスの向上につなげていきます。

一見、困難なケースと思える場合でも、自費ならではの自由度の高さをいかし、一人ひとりの状態にあわせて十分に時間をかけて対応することが可能となります。

介護拒否のあるためにケアプランが実施できないご利用者様への対応や、ケアプランを円滑に実施するために、介護保険サービスと自費の認知症専門サービスとの組み合わせを選択肢のひとつとして検討してみてはどうでしょうか。

今回のインタビュー事例で活用した
ダスキンホームインステッドのお問い合わせ先


【 ダスキンコールセンター 】
フリーダイヤル 0120-100100(24時間年中無休)


【 ダスキンホームインステッド認知症特設ページ 】
http://homeinstead.duskin.jp/ninchi/index.html


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※必ず「ハンドブック希望」と明記しお申し込みください

https://homeinstead.duskin.jp/hisys/info/InfoInput.do

図7

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